【GPレポート】7月31日 全日本学生ダートトライアル選手権大会

7月31日、丸和オートランド那須にて、全日本学生ダートトライアル選手権大会が開催されました。

昨年度からの2連覇がかかった今回の全日D。今年はホームコースである丸和での開催という事で、絶対に負けられない大会です。全関Dを制し勢いに乗るWUACですが、事前の練習会ではトラブルが頻発。前日練習会でも女子試合車輌のEP82に不調が発生してしまいます。しかし、千葉工業大学自動車部の皆さんから部品をお借りして82が復活。不安要素を抱えつつもチームで乗り切り、大会本番に臨みます。

整備を受ける82 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》

迎えた7月31日、大会当日。丸和に降り注ぐ日差しは強く、クルマにも人にも厳しい環境となりました。WUACから出場するのは安達、大矢根、最上の男子3名と、石山、小林の女子2名です。

全関東大会では他大学に大差をつけて優勝した早稲田。第1走者安達を皮切りに、早稲田勢は次々と好タイムを記録。小林、最上の両名が部門最後の出走でトップタイムを叩き出すなど、男女ともに午前トップで折り返します。ですが、全国の強豪が集う全日本戦は一筋縄ではいきません。男子団体の部、2番手の大学との差は僅か1.69秒。気が抜けない戦いが続きます。

他の選手を圧倒した最上

土の上を走るダートトライアル競技は、車輌が走行を重ねるごとに路面状況が激しく変化することが特徴です。一般的には、滑りやすい砂利が少なくなるため、午前よりも午後にタイムが出やすいと言われています。午後の走行では、そのセオリー通りに各大学がタイムを上げていきます。

対する早稲田も負けてはいません。女子の部は石山、小林の両名ともタイムアップに成功。まずは女子の部で、団体・個人を早稲田が制します。一方の男子も安達、大矢根が午前のタイムを上回り、団体優勝を確実にした、かに見えました。

優勝を決めた小林

走順が後ろになればなるほど、タイムが出やすいと言われるダートトライアル。従って第3走者には、その大学で最も速い選手を配置するのが定石です。各大学のエースが次々とタイムを更新するなか、ついに2番手の大学が逆転で1位を奪取。早稲田の第3走者・最上の出走直前に、団体順位を2番に落とすこととなりました。

男子の部最終走者、4年・最上佳樹。早稲田による大会完全制覇の夢は、エースの腕に託されました。会場が固唾をのんで見守る中、無駄のない走りでフィニッシュへ。実況が告げたタイムは1:32.54。この日誰よりも速いタイムを叩き出した最上は、団体・個人共に失っていた首位の座を奪い返してみせました。

首位の座を奪い返してみせた最上

最終結果は以下の通りです。

【男子団体の部】

優勝 :早稲田大学(4:45.14)

準優勝:慶應義塾大学 (4:46.40)

3位 :中央大学 (4:49.03)

【女子団体の部】

優勝 :早稲田大学 (3:25.17)

準優勝:東京農業大学 (3:46.34)

【男子個人の部】

4年・最上佳樹:優勝 (1:32.54)

2年・安達悠人:6位 (1:36.03)

2年・大矢根洋:9位(1:36.57)

【女子個人の部】

3年・小林眞緒:優勝 (1:40.60)

3年・石山萌乃:3位 (1:44.57)

WUACは全日戦でも大会完全制覇を果たした

昨年度、個人全日総合杯を獲得しながら個別大会の最高順位が「2位」だった最上にとってはようやく掴んだ初優勝。そして、早稲田大学自動車部としては、昨年度果たせなかった『全日戦での団体・個人・男女完全制覇』という夢をついに成し遂げた格好となりました。

この場をお借りいたしまして、日頃よりご指導いただいておりますOB・OGの皆様、当部をご支援いただいておりますスポンサーの皆様、そして当部を応援してくださる皆様に、改めて感謝申し上げます。このような結果を残すことができましたのも、ひとえに皆様のおかげです。皆様、誠にありがとうございました。

また、EP82の貴重な部品をお貸し頂きました千葉工業大学自動車部の皆様にも、深く感謝申し上げます。82の出走は、千葉工さんの助けなしにはできないことでした。本当にありがとうございました。

次大会は、8月20日(土)-21日(日)に行われます、全日本学生ジムカーナ選手権大会となります。

完全制覇という最高の形で終えることができた全日ダートですが、相次ぐトラブルなど、決して盤石の勝利ではありませんでした。3週間後に迫る全日ジムカーナで更に強い姿をお見せできるよう、また目標である全日総合杯の獲得に向けて、これからも全力で活動して参ります。

今後ともご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。

出走待機中の安達
安達は6位に飛び込み、スピード競技の全日戦で初入賞 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
ぶっちぎりで優勝した小林《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
出走する石山と見守る部員 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
攻めた石山、3位表彰台 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
他の選手の走りを観察する大矢根 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
大矢根は個人9位と、少しほろ苦い全日デビューに 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
最後の出走に臨む最上 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
優勝の最上、エースの仕事を果たす 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》
2014年以来の女子団体優勝をもたらした女子選手 《写真提供:早稲田スポーツ新聞会》