【活動日報】TOM’S オープンイノベーションLABO

ちは!自動車部4年、中野です。

2月26日、東京都のワンダービジョンテクノラボラトリーにて、株式会社トムス様の主催するオープンイノベーションLABOというイベントに参加させて頂きました。

さて、トムスと言えば、日本で最も有名なレーシングチームの1つです。モータースポーツファンの方であれば、2021年のスーパーGTチャンピオンである事もご存知なのではないでしょうか。かくいう私も、モータースポーツオタクになったきっかけが、まさにトムスさんでした。2006年の脇阪選手の活躍が……(以下、省略)。今回はそのトムスさんからお声かけ頂き、研究拠点の見学会に参加する事となりました。

最寄り駅の様子。レトロフューチャー感があって筆者は好きです。

というわけで、やって参りました整備場駅。目と鼻の先に羽田空港があり、ちょっとワクワクしてくる立地ですね。駅前に建っているビル群の一角、倉庫のようになっている場所に、その拠点はありました。 トムスさんの次世代技術開発拠点については噂を聞いていたものの、いざ実物を目にすると非常に緊張します……。

扉の中には何が………。

そもそもトムスさんはレース関係が有名ですが、そちらの拠点は御殿場にあります。今回見学した羽田の拠点は、レーシングシミュレーターなど、次世代のモータースポーツについて開発が行われている場所との事。まずは谷本社長をはじめとした社員の方々から、トムスが現在進めている事業について伺いました。

誠に勝手ながら、レーシングチームとは自動車部Lv.100みたいなものだと思っておりました。が、実際にご説明頂いた内容は想像のはるか先を行っていました。例えば、レーシングシミュレーターの開発と一口に言っても、レースのシミュレーションに限らず、エンターテインメント事業や仮想空間の実証実験への応用など、多くの用途に転用される事を想定されています。更に、EVレーシングカートの自社開発や、レンタルフォーミュラカーの運営など、リアルのツールを用いた事業も積極的に進められているとの事。また、広島県に『モビリティ・エンターテイメントの聖地』となる商業施設、「ひろしまモビリティゲート」を開業する計画が進んでいる、などなど……。

熱量がすごい。

個人的に印象に残ったのは、モビリティ文化全体の発展のため、より広い層に向けてモビリティの面白さを発信していこうという姿勢が感じられたことです。EVカートが分かりやすい例ですね。現在、レーシングカートに乗るには郊外のサーキットに行くしかありません。それはカートが内燃機関で動く以上、騒音や排ガスと言った問題が常に付きまとうからです。だからレーシングカートは「好きな人」がわざわざ郊外まで出向いて楽しむエンタメになっています。一方、電動車であるEVカートなら、そのような問題が解消され、立地の制約も無くなります。もっと都心部にカートコースがあれば、今まで興味が無かった人も気軽にその乗り物が持つ面白さを体験することができるようになります。興味を持ってもらえれば、フォーミュラ体験やレース観戦など、一段高いステップに踏み込んでもらえるようになるというわけです。このモデルの思想が、ひろしまモビリティゲートという事業に繋がっているという事ですね。日頃から何時間もかけて丸和だの浅間台だのに向かっている自動車部員としては、目から鱗のお話でした。思想が硬直してしまっていたなあと反省しております。

事業説明の後、実際にトムスさんが開発されたレーシングシミュレーターの体験会が行われました。WUACと一緒に見学されていたKOACさんと、その場のノリで何故か早慶戦という形になってしまい、早稲田からは中野と大矢根が出場します。富士スピードウェイ、F4マシンを使ったタイムアタック勝負です!

筆者を含めた早稲田の2名は昨年度のGTYCにも出場しており、「まあなんとかなるだろう」と思いながらコクピットに乗り込みますが………何も見えません。着座位置が大変低いため、前方の視界が非常に悪いのです。いざ走り出してみると、クルマが曲がりません。ハンドルがとにかく重く、全体重をかけないと回ってくれないレベル……。更にはブレーキ踏力が全く足りず、ブレーキングも甘々な状態に……。とはいえ、 少しミスをするだけでクルマが吹っ飛んでしまうため、気を抜くわけにもいきません。 筆者が体を鍛えていないのが悪いのですが、2周走った頃には腕に力が入らなくなり、コース上のどこを走っているかも分からないほど意識が朦朧としてしまいました。これで何十周も、しかも他車と走るのか……と、改めてプロドライバーの皆さんのすごさを認識しました。ちなみに、これでも現実より軽いステアリング設定になっているとの事。マジですか。

あ、ちなみに早慶戦は負けました。ごめんなさい。

今回はモータースポーツやモビリティ文化の未来について考える、非常に有意義な機会になりました。昨年度はHondaの第6代社長を務められた福井OBの講演会というイベントもありましたが、こういう貴重なお話を聞ける機会が多いのも、自動車部の大きな魅力ですね(申し訳程度の新歓要素)!

改めまして、貴重な機会をご提供いただきましたトムス様、またお声かけ頂きました慶応義塾大学自動車部の皆さん、ありがとうございました。早稲田大学自動車部は、モビリティ文化を担う一員として、今後も積極的に活動して参ります。今後ともご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします。

ありがとうございました!