ちは!早稲田大学自動車部4年の安達です。
先日行われた2024年全関東学生ジムカーナ選手権大会の当日の模様をまとめましたので、結果報告とともに掲載させていただきます。
今シーズンは、車両的に厳しい状況からのスタートとなりました。昨年度、全日本学生ジムカーナ選手権大会にて優勝を成し遂げた試合車輌(通称:黄インテグラ)は、エンジンオーバーホールが間に合わず、ショップからのレンタルエンジンでの出場でした。今シーズンは、エンジンがオーバーホールから戻り、載せ替え作業からスタートしました。また、元がレース用車両のため、燃料タンクが移設されており、こちらを純正に戻す作業も行われました。満を持して車両テストへ行き、序盤は圧倒的な速さがあり強力な試合車になったかと思われましたが、ものの数本でエンジンが吹けなくなる不調が発生。配線やセンサー等を交換するなど様々な検証・テストを行いましたが、不調は戻らず、違う試合車両を用意しなければいけない事態となりました。
そこで、昨年全日本学生ダートトライアル選手権大会で使用したダート車のインテグラをジムカーナ仕様に変更して出場することになりました。足回りやミッションなど全て移植し、大会本番会場である富士でセッティングも詰めていったことで、元ダート車とは思えない立派なジムカーナ車両となりました。
大会前の練習では株式会社HAL様より全日本トップドライバーの川北忠様から練習会やオンラインミーティングにて走行へのアドバイスをいただき、非常に密度の高い遠征を行いました。
大会当日5月5日は、例年より早いタイミングでの開催で、数年ぶりの快晴となりました。大会では、3人の選手が午前・午後でそれぞれ1回ずつ走行し、それぞれの選手のベストタイムの合計で順位が決まります。言い訳の利かないドライ路面で、各大学気合を入れて勝負に臨みます。
まず、第一走者は4年大矢根です。大矢根は選手として3年目の出場。チームの中で最も経験豊富なドライバーとして、幸先の良いスタートを切ります。タイムは他大に大きく差をつけて1.05,450でゴール。圧巻の走りで記録を残しつつ、他大にプレッシャーを与えます。
続く第二走者は主将、4年平石です。学連戦スピード競技は昨年度の全日本ダートトライアルに続き二回目となります。練習走行時にはミスコースが課題となっていましたが、本番では堅実な走りで1’08,710をマーク。ひとまず午前の結果を残すことができて一安心ですが、ドライ路面は午後が勝負です。
午前最後の走行は男子の第三走者、3年宮崎です。昨年度からジムカーナ選手で、今年は大矢根とダブルエースを務めます。晴れてきた路面は好タイムを残す絶好のチャンス。スマートな走りを見せて結果は1’06,470。午前の時点で早稲田は男子団体トップに躍り出ます。
オープン枠の3年吉田は第一走者大矢根と第二走者平石の間での走行となりました。スピード競技初出場となる吉田はコース慣熟とライン取りが課題でした。オープン枠のため公式記録には影響がないものの、未来の選手候補としてここは記録を残したいところ。この日は冴えた走りを見せ、1’09,630の好タイムをマークします。
ここで午前走行が終了し、昼休憩と慣熟歩行が開始となります。選手は各々の課題を解決するため再度コースを歩きタイムアップのカギを見つけます。
この間に下級生は車輛準備と記録の整理を行います。選手が輝く場を用意することも部員の立派な仕事。この日はミッションオイル交換とブレーキのエア抜きを行いましたが、慣れた手つきで完璧なチームワークを見せ、難なく車輛準備を済ませることができました。午後の走行は午前と同じ走行順で行われます。
午後一本目は男子第1走、大矢根の出走です。一本目に全体ベスト記録を残しているだけに、午後はさらなるタイムアップを果たしてライバルに一歩リードをつけたいところ。エースたる圧巻の走りで車輛を操りますが、最後の360°ターンがまさかの不発。二走目のタイムは1’05,500と午前から0.05秒のタイムダウンとなり、部員全員でモータースポーツの過酷さを目の当たりにした走行となりました。
続いての走行は、主将の平石です。エース大矢根がタイムアップを果たせなかったいま、平石と宮崎がどれだけタイムを稼げるかが勝負の肝となります。一本目の課題を見事にクリアし、主将たる見事な走りで最終セクションに飛び込みましたがまたしても360°ターンが不発。惜しくもタイムダウンしてしまい、1’10,600という結果に終わりました。
男子団体最後の走行は男子第3走宮崎です。前の二人がタイムアップを果たせず360°ターンも不発に終わった状況で、宮崎にかかるプレッシャーは相当なものになります。注目を浴びながらもミスなく走り切り、最後のターンもきれいに決めてきた宮崎は1’05,830でゴール。見事コンマ7秒近くのタイムアップを果たし、早稲田大学は二位である慶應義塾大学とコンマ5秒差で優勝を獲得することができました。
全員の走行が終了し、早稲田大学の正式結果は男子団体優勝。大矢根が個人優勝を飾ることができました。昨年度までは結果が奮わず落ち込む結果が多かった全関Gでしたが、今年は輝かしい結果をもって協賛企業の皆様に戦績報告ができますことを大変嬉しく思います。
エンジンのオーバーホールを行い期待の星であった黄インテグラが不調をきたし、急遽突貫で作り上げた車輛での出場となった今大会は、弊部にとって非常に厳しい逆境の中で臨むこととなりました。しかし選手三人の堅実な走行とそれを支える部員たちの強力なサポートにより素晴らしい結果を残すことができました。
最後に、日頃より多大なご支援をいただいておりますスポンサーの皆様に、改めて深く感謝申し上げます。今後ともご声援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。
また、大会当日に富士までお越しくださり、写真撮影をしていただいた早稲田スポーツの大西様に改めて御礼申し上げます。本記事の写真は全て大西様の写真を使用させていただいております。
以上をもちまして、本大会の結果報告とさせていただきます。