【GPレポート】8月21日 全日本学生ジムカーナ選手権大会

8月21日、鈴鹿サーキット国際南コースにおいて、全日本学生ジムカーナ選手権大会が開催されました。

 

ダートトライアルでは全日本ダートを制するなど好調であった一方、ジムカーナでは苦戦が続く早稲田大学自動車部。特に男子車輌のインテグラはエンジンブローミッションブローが相次ぐなど、非常に厳しい状況が続いていました。新たに黄色インテグラに搭載されたエンジンは、全日ダートで使用した黒インテグラのもの。崖っぷちの状況ですが、男子は同大会2連覇を、女子は2014年以来の団体優勝を目指して鈴鹿に挑みます。

 

事前練習会が設定された2022年の全日ジムカーナ。木曜日から鈴鹿入りした早稲田は、男女とも順調に練習を重ねます。しかし、大会前日の土曜日の走行、朝の1本目に男子車輌のインテグラが再びエンジンブロー。既に予備エンジンは底を突いていたため、インテグラでの走行は断念。急遽女子車輌として準備してきたEGシビックの仕様を変更したうえで、男女1台の車輌での出走を決断します。

エンジンブロー直後から開始された作業は夜間まで及びましたが、翌日、決勝日のスタートラインにはなんとか整備された車輌を並べることができました。出走にあたっては、夜間の整備と車検期限の延長についての嘆願を行いました。改めまして、嘆願を受理いただきました全日本学生自動車連盟の皆様、また当部の嘆願にご賛同頂きました参加者の皆様に、深く感謝申し上げます。

夢の2大会連続完全制覇は厳しくなってしまったものの、僅かでも可能性があれば諦めるわけにはいきません。皆の想いを背負って、早稲田の第1走者、最上が出走に臨みます。

 

今年の鈴鹿は、珍しく雨模様からのスタートとなりました。事実上のぶっつけ本番、しかも路面が乾ききらない難しい状況の中で、最上は第1走者のなかでもトップクラスのタイムを叩き出します。しかし中盤で痛恨のパイロンタッチを喫してしまいました。第3走者の大矢根、女子第2走者の石山もPTを喫するなど総じて精彩を欠いた早稲田、午前は男子団体8位、女子団体2位で折り返します。

伸び悩んだ早稲田勢のなかでも、女子第1走者の小林は午前トップタイムでチームを鼓舞します。ちなみにこの記録、他大学のライバル選手と1/100秒まで全く同じタイム。全関東では惜しくも敗れた小林、全日本という大舞台でのライバル対決にも注目が集まります。

 

午後の走行は、午前とは打って変わって晴れ模様となりました。大逆転を目指し、部員1人1人が各々の持ち場で走行開始を待ちます。

 

早稲田勢で午後最初の走行となったのは、エースの4年、最上佳樹。この日のために全てを投げうってきた最上ですが、秋に卒業を予定しているため、この走行が自動車部人生におけるラストランとなります。自身の4年間、そして全部員の想いを乗せた最上のアタックは、他の選手を突き放す1分13秒21!しかし無情にもパイロンが倒れ、この日の全体ベストタイムも幻となってしまいます。

 

続いての出走は女子第1走者、小林。最上のPTにチームが揺れる中、午前のタイムを1秒以上更新してフィニッシュ。シビアな戦いとなった女子の部個人優勝を決め、早稲田に流れを取り戻します。

チームは小林に勢いづけられ、男子第2走者の近藤も1秒以上のタイムアップ。早稲田の順位を押し上げます。続いて出走した女子第2走者の石山も個人3番手に飛び込む快走を見せ、まずは女子が団体優勝を決めます

 

早稲田の最終走者となったのは2年、大矢根。全関東ではプレッシャーに屈しPTする場面もありましたが、場数を踏んだ次世代のエースは冷静でした。大会はもちろん、ともすれば2022年度の全日総合杯すら失いかねない場面で、入賞まであと一歩の個人7番手タイムを記録します。

 

出場した全選手の走行が終了し、男子団体順位の結果が確定しました。早稲田大学の結果は4位。厳しい状況の中最善を尽くして得られた結果ではあるものの、2大会連続の男女完全制覇が見えていただけに、悔しさの残る大会となってしまいました。

詳細結果は以下の通りです。

 

【男子団体の部】

優勝 :日本大学(3:45.92)

準優勝:慶應義塾大学(3:46.28)

3位  :芝浦工業大学(3:46.41)

4位  :早稲田大学(3:48.67)

【女子団体の部】

優勝 :早稲田大学(2:38.55)

準優勝:同志社大学(2:43.18)

【男子個人の部】

4年・最上佳樹:43位(1:13.21 PT1)

3年・近藤怜 :14位(1:15.61)

2年・大矢根洋:7位(1:14.85)

【女子個人の部】

3年・小林眞緒:優勝(1:18.81)

3年・石山萌乃:3位(1:19.74)

この場をお借りいたしまして、日頃よりご指導頂いておりますOB・OGの皆様、ご支援頂いておりますスポンサーの皆様、応援頂いております皆様に、深く感謝申し上げます。また、今回の出走にあたりご尽力頂きました全日本学生自動車連盟の皆様、当部の嘆願にご賛同頂きました参加者の皆様にも、改めまして感謝申し上げます。皆様、誠にありがとうございました。

 

次の全日本大会は11月20日(日)に行われます、全日本学生自動車運転競技選手権大会(全日フィギュア)となります。

 

望んだ通りの結末とはならなかった全日ジムカーナですが、女子は2連勝、男子は全日総合杯への望みを繋いだ格好です。男子は今大会のリベンジを、女子は3連勝を目指し、秋のフィギュアへ向けて活動を続けて参ります。

 

今後ともご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。