【GPレポート】12月5日 全日本学生ジムカーナ選手権大会

2021年12月5日、鈴鹿サーキット国際南コースにて、全日本学生ジムカーナ選手権大会が開催されました。

本来は夏の風物詩として、8月末に開催されている全日ジムカーナ。今年度は感染症拡大の影響で12月に延期となりました。異例の冬季開催となったうえ、全日フィギュアの直後というスケジュール。ジムカーナの準備期間がほとんど取れないため、早稲田にとってはより難しい状況になる事が予想されました。

大学の授業期間と重なり慌ただしい移動となりましたが、早稲田は金曜日の練習会から鈴鹿入りします。しかし、持ち込みセッティングを外してしまい、ライバル校に対し後れを取ってしまいました。土曜日の朝に急遽セッティング変更を行い、なんとか軌道修正を図る事に成功します。万全な状態とは言い難いものの、できる限りの準備をして臨みました。

迎えた大会当日、朝焼けの中で慣熟歩行が開始となりました。快晴となった当日は予想より暖かいものの、時折冷たい風が吹くというコンディション。例年と異なる冬開催という事で路面温度は非常に低く、繊細なマシンコントロールが要求されます。午前8時15分、完全に日も昇りきっていない中、2021年度最後の競技が開始されました。

冬開催となり、慣熟も朝焼けの中行われた

早稲田の第一走者は4年、藤岡。4年間の最後の大会という事で、この大会に向ける意気込みは相当なものです。スピンしながらフィニッシュするという鬼気迫る走りを見せた藤岡は、2番手を2秒近く引き離すトップタイムを記録。しかし痛恨の脱輪判定となり、午前25番手となります。

出走を待つ藤岡

続いて女子選手の2年、小林が出走。全日フィギュアを制した小林に、ジムカーナでも連勝が期待されます。スタートから勢いよく飛び出した小林は、勢いを殺しきれずにブレーキロック。これで大きくタイムロスしてしまい、11番手に沈んでしまいます。

続々と競技が進行し、第二走者の最上が出走となります。全日D、Fと個人2位が続く最上は、団体の結果のみならず個人の優勝も狙って走ります。しかし得意のターンで失敗したことでタイムロス。1:18.344の午前3番手となり、「論外な走りだ」と納得の行かない一本になってしまいました。

不本意の午前3番手となった最上

早稲田の第三走者は3年、神林。他大学のエースが次々とタイムを出し、プレッシャーのかかる状況でした。今シーズンは1本目できっちり記録を残すことが課題となっていた神林ですが、ここで冷静に1:20.547というタイムを残します。午前15番手となり、午後に向けて良い流れを作りました。

午前の走行が終了した時点で、早稲田はトップの日本大学から3.4秒差の3番手。藤岡がペナルティを受けていることを考えれば悪くない位置ですが、2番手には全日総合杯を争うライバルの慶應義塾大学がつけていました。ダートトライアル、フィギュア、そしてジムカーナという3競技の総合得点で争われる全日総合杯の獲得は、早稲田大学自動車部が掲げる目標の一つです。この日の慶應義塾大学は絶好調であり、早稲田が勝つためには1つのミスも許されない状況でした。

昼休憩をはさみ、いよいよ午後の競技がスタートします。気温が上がった事もあり、各選手続々とタイムを更新していきます。午前は悔しい結果となった早稲田の第一走者、藤岡にも、タイム更新が期待されます。4年間の集大成として挑んだ藤岡は、1:16.390という驚異的なタイムをマーク。自身の午前タイムはもちろん、それまでのトップタイムを1秒近く更新して首位に躍り出ます。

これに続きたい女子選手の小林。1本目は大きなミスがあったため、慎重な走りを心掛けました。1:29.58までタイムを更新したものの、結果は8番手。「次回は勝ちたい」と語る小林の目は、既に来シーズンを見据えています。

タイムアップを果たすも、小林は悔しい個人8番手

第二走者の走行が始まると、鈴鹿の上空に雲が増え、気温が急激に下がっていきました。この時点で早稲田はトップの慶應義塾大学から僅差の2番手。このままでは大会の優勝はもちろん、全日総合杯も逃してしまうという状況です。重圧のかかる場面でしたが、最上はキッチリと走り切り個人2番手となる1:17.381をマーク。早稲田が個人ワンツー体制を築き、僅差で団体首位に浮上します。

これ以上ないアシストを受け、第三走者の神林の順番となります。最後までミスなく走り切った神林は1:19.672で午前のタイムを更新。2番手との差を1.69秒に拡大し、2008年以来となる全日ジムカーナの優勝を決めて見せました。

最終走者の神林は冷静にタイムを更新

公式結果は以下の通りとなります。

【男子団体】

優勝:早稲田大学

準優勝:慶應義塾大学

3位:日本大学

【男子個人】

優勝:藤岡 慶(早大)

準優勝:最上 佳樹(早大)

3位:辻田 航(同志社大)

22位:神林 崇亮(早大)

【女子個人】

優勝:宮岡 由実(同志社大)

準優勝:川崎 瀬夏(同志社大)

3位:小林 遼佳(日大)

8位:小林 眞緒(早大)

全日ジムカーナの団体優勝は2008年以来となった

昨年に引き続き難しい1年となりましたが、全日本ジムカーナの優勝という最高の形で終える事ができました。このような素晴らしい結果を収める事ができましたのも、日頃よりご指導いただいているOB・OGの皆様、ご支援頂いているスポンサーの皆様、そして応援してくださっている全ての皆様のおかげです。改めまして深く感謝申し上げます。

また、厳しい状況の中、大会を運営することにご尽力いただきました全ての関係者にも感謝申し上げます。皆様、誠にありがとうございました。

来年度以降も全日総合杯の獲得をはじめ、全ての大会でより良い成績を収められるよう、全力で活動して参ります。

引き続き、早稲田大学自動車部へのご指導、ご鞭撻のほど、何卒よろしくお願い申し上げます。